ほとんど進化しないガン細胞を研究する試み
研究

発病するとどんどん変異し続け、場合によっては転移するなど生命を脅かすガン細胞は、最終的には住み家となっている宿主の体を生存不可能にして、ガン細胞と宿主が共存不可能になって最終的に共倒れになってしまうことも多いと思われますが、ほとんど進化しないガン細胞も存在しているそうで、ガン細胞というよりはむしろ寄生虫のように宿主となる感染者と共に共存するのだそうです。

このほとんど進化しないガン細胞は犬の可移植性性器腫瘍と呼ばれるCTVTが存在していまして、犬から犬へ感染して8500年に渡り生存してきたガン細胞なのだそうで、遺伝子がほとんど進化していないほど安定的で、感染者の死因の原因になることや薬への耐性を獲得することもなく、治療しようと思えば治癒することも決して難しくないようです。

ガン細胞といえば発症するとどんどん突然変異するなど変化して、最終的に宿主の生命にかかわるレベルへ進んでしまうことがあると考えるのが普通かもしれませんが、まったく変異しないで宿主と共存することで何千年も生き伸びてきたCTVTのようなガン細胞もあるということです。

この進化しないガン細胞であることで何千年も生存できていることは、ある意味遺伝子を安定させるメリットがあるということなのかもしれませんが、進化しないということを研究することで突然変死し続ける不安定なガン細胞について分かることがあるのではないかと期待されているそうです。



Posted by ドキュメンタリー at 10:23